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[GA4] サンプリングとは?発生理由と回避方法を解説

GA4_サンプリング

GA4利用時に、度々出現する謎の“フィルタタブ”のようなボタン。

ポチっとクリックすると非サンプリング データ: レポート(この レポート は、利用可能なデータの 100% に基づいています。)」という、謎の表記が出てきますが、スルーしている方も多いのではないでしょうか?

結論から言うと、サンプリングとは、『大量のデータ収集時に、一部のデータを抽出し、傾向をもとにレポートを生成する機能』です。

そのため、「非サンプリング」とは、データ原本そのものを表示しているという意味になります。

本記事では、このサンプリングについて解説をしていきます。
そのままでいいの?いきなりサンプリング状態になるの?その他気を付けておくべきことは?など、諸々解説していきます。

目次

改めて、サンプリングとは?

サンプリングとは、全体のデータセットから一部分を選んで分析を行う方法です。

選ばれたデータの割合を「サンプリングレート」と呼びます。サンプリングレートが高いと、分析に使うデータが増えるため、結果の精度も向上します。

たとえば、サンプリングレートが50%の場合、全データの半分を使って残りの半分の情報を推測し、分析を進めます。 分析の正確性を高めるためには、可能な限り高いサンプリングレートでデータを分析するか、サンプリングを避けることが望ましいです。

これにより、データを効果的に活用し、より信頼性の高い洞察を得ることができます。

サンプリングが行われる条件

※画像クリックで拡大できます

サンプリング

GA4において、標準レポートではデータのサンプリングは行われませんが、 探索レポートを使用する場合、イベントの割り当て上限を超えるとサンプリングが適用されます。

具体的には、GA4の標準版プロパティでは、クエリごとに「最大1000万件」のイベントが処理可能です。

一方、より高度な有料版(GA4 360)では、クエリあたり「最大10億件」のイベントを扱うことができます。 この割り当て上限を超えると、探索レポートでの分析時にデータがサンプリングされ、 レポートの範囲や精度に影響が出る可能性があります。

したがって、大規模なデータ分析を行う場合は360版の使用を検討することが有効です。

『結論』そのままにしていていいの?

以下に該当する場合、データをサンプリングすることが望ましいでしょう。

1. 数百万単位のセッションがある

GA4が処理するデータ量やウェブサイトのトラフィック量が大きい場合、システムのパフォーマンスに影響を及ぼす可能性があり、目安でいうと月間で数百万セッションとなります。日々のセッション数やページビューのデータポイントを確認し、システムがスムーズに機能しているか監視します。特に数百万単位のセッションがある場合、サンプリングを検討することが有益でしょう。

2. レポートの生成時間

レポートの生成に異常に長い時間がかかる場合は、データ処理の負担が高いことを示しています。レポートの応答時間を監視し、遅延が許容できる範囲を超える場合は、データセットのサンプリングやクエリの最適化を検討することが推奨されます。

3. レポートの精度と詳細度

非常に詳細で正確なデータが必要な場合(例えば、財務報告や重要なビジネス決定)、非サンプリング状態を維持することが望ましいです。反対に、大まかなトレンドや概観レベルの分析であれば、サンプリングされたデータでも十分な場合があります。

サンプリングを回避する4つの方法

①有料版GA(GA360)にアップグレードする

繰り返しになりますが、無料版では1,000万イベントごとにサンプリングされ、有料版ではこの上限が10億イベントまで増加します。この大幅な増加は、データ分析の精度を高めるために非常に有効です。

サンプリングを最小限に抑えるためには、単に有料版にアップグレードするだけでなく、追加の設定が必要です。

具体的には、GA4の探索レポート画面の右上に位置する「データ品質アイコン」をクリックし、表示されるプルダウンメニューから「精度の高い結果」を選択します。これにより、データのサンプリングによる影響を大きく減らすことができます(データが表示されるまで、数十秒程度の時間がかかります)。

②不要なレポート項目を削除する

GA4でのデータ管理を効率化するには、不要なディメンションや指標を削除することが効果的です。これにより、分析に必要なイベント数が減少し、結果としてサンプリングが発生しにくくなります。サンプリングを避けることで、データの精度を保ちながら分析を行うことが可能となります。

③期間を短くする

データの抽出期間を短くすることは、簡単にできるサンプリングを回避する一つの方法です。 特に、GA4でデータの量がイベント割り当ての上限に近づいている場合、 分析期間を短縮することで、全データをサンプリングすることなく詳細に分析を行うことができます。

例えば、通常1か月間のデータを分析する場合にサンプリングが発生してしまうなら、 その期間を1週間に短縮することでより正確なデータ分析が可能になります。 これにより、データの精度を保ちつつ、必要な洞察を得ることができるでしょう。

④BigQueryにエクスポートして分析する

BigQueryへエクスポートしたデータでは、GA4のデータがサンプリングされずに全て転送されるため、より完全なデータセットを利用できます

ただし、注意点として、以前はGoogleシグナル由来のデータがBigQueryへのエクスポートに含まれないため、GA4のレポートで見られるイベント数やユーザー数が、BigQueryで分析した結果と異なる場合がありました。現在では、Googleシグナルの廃止により、この違いは解消される見込みです。これにより、クロスデバイス行動の追跡データも含めて、より一貫したデータ分析が可能になります。

この点を理解しておくことが、データ分析の正確性を保ちながら適切な結論を導き出す上で重要です。

サンプリング回避はBigQueryとの連携がおすすめ

GA4からBigQueryにデータをエクスポートすることで、サンプリングの影響を受けることなく生データを分析できます。この方法は、全てのデータを詳細に分析したい場合に特に有効です。

ただし、BigQueryでデータを扱うにはSQLの知識が必要となるため、適切なスキルを持つ人材を確保するか、外部の専門家に依頼することが考慮されるべきです。また、GA4の標準レポートとBigQueryでエクスポートされたデータの間には、細かな差異が生じる可能性がありますので、これにも注意が必要です。この差異は、データ処理の方法の違いに起因することがあります。

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