GA4における新規ユーザー数、リピーター数の定義、何だか分かりにくい…
分かったようで分からない、情報もいろいろ混在している…という感想をお持ちの方も多いかと思います。2024年7月1日にUA時代のサポートが終了しましたが、今後はGA4における各指標の定義は、正確に把握していきたいところです。
今回は各指標の定義と、その確認方法について解説します。ぜひ参考にしていただけると幸いです。
GA4における「新規ユーザー数」の定義
結論から言うと、文字通り指定期間内で初めてWebサイトにアクセスしたユーザーを指し、UA時代の定義とGA4での定義は異なるので注意が必要です。
first_open または first_visit イベントがログに記録された新しい一意のユーザー ID の数。
出典:[GA4] ユーザー属性の詳細レポート
この指標を使用すると、初めてサイトを利用した、またはアプリを起動したユーザーの数を測定できます。
一部の記事では、期間に関する定義として「過去7日以内」や「最後のアクセスが2年以上前であれば新規ユーザーとして扱われる」などの表記が見受けられます。しかし、Googleの公式ヘルプやドキュメントにはそのような期間の条件は明示されていません。
GA4では、「新規ユーザー数」は基本的にそのユーザーが初めてアクセスした際にカウントされるものであり、特定の期間に基づく条件は含まれていません。クライアントIDやUser-IDを使用してユーザーを識別し、初めてのアクセスを記録します。
※注意点
ユーザーがブラウザを閉じて再度開いたり、一定時間サイトを離れた後に再訪問した場合、新しいセッションが開始されますが、この場合でもクライアントIDが同じであれば新規ユーザーとしてはカウントされません。
「リピーター数」の定義
過去に一度でもアクセスしたことがあるユーザーが、指定された分析期間内に再度訪問すると、そのユーザーはリピーターとしてカウントされます。
指定した期間に、過去のセッションを 1 回以上開始したユニーク ユーザーの数。過去のセッションがエンゲージメント セッションだったかどうかは関係ありません。
出典:[GA4] ユーザー属性の詳細レポート
これは、たとえ3年前に一度だけアクセスしたユーザーでも、今回の期間内に再訪問すれば「リピーター」として扱われることを意味します。
「新規ユーザー数」「リピーター数」を確認する方法
①標準レポートの「維持率の概要」から確認
まずは、定番の閲覧方法である「維持率の概要」から確認する方法について紹介します。
レポート > 収益化 > 維持率
※画像クリックで拡大できます

操作が完了すると、上図のように新規ユーザー数、リピーター数が表示され、グラフ形式で確認をすることができます。
②経路別に新規ユーザー数を確認する
流入経路別に新規ユーザーがどのくらいいるか?をグラフや表数値にて確認ができます。
レポート > ライフサイクル > 集客 > ユーザー獲得

③探索レポートを活用する
探索レポートで、新規ユーザー数とリピーター数のデータを見る方法を紹介します。
動画での解説が理解しやすいと思いますので、ぜひこちらをご覧ください。
「総ユーザー数」=「新規ユーザー」+「リピーター」ではない?
探索レポートなどでユーザー数を確認していくと、たまに「総ユーザー数」=「新規ユーザー」+「リピーター」になっていない事がある、という事に気づくかもしれません。

これはエラーではなく、GA4のユーザー定義上そのようなケースになる事があるということです。
例えば、以下のようなケースがそれに該当します。

これは7日前までの区間でデータを見たケースですが、上記ユーザーが初回訪問の時点で新規ユーザー(=1)と換算され、さらに2度目の訪問時点で、リピーター数(=1)が換算されます。
このように新規ユーザーが直近7日間で再訪問した場合、上記合計が2となり、アクティブユーザー数(=1)と合致しないというわけです。逆を言えば、重複が多いということは再訪問が多いともいえるので、このようなデータ齟齬については理解しておくと良いでしょう。
まとめ
この記事では、一見シンプルに思える「新規ユーザー」と「リピーター」のセグメントについて、その複雑な側面を解説しました。これらのセグメントや指標を正しく理解することは簡単ではありませんが、Webサイトの現状を正確に把握し、効果的な改善を行うためには欠かせません。
新規ユーザーは初めてサイトを訪れる人々であり、ブランドの第一印象を左右します。初回の体験が良ければ、リピーターに成長する可能性が高まります。リピーターはサイトに馴染みがあり、再訪によって信頼とロイヤリティを高めます。満足度が高いリピーターは、新たなユーザーを引き込む力も持っています。
セグメントごとのユーザー行動を理解し、適切な施策を講じることはWebマーケティングにおいて極めて重要です。ユーザーの行動データを分析し、現状の課題を明確にすることで、より効果的なマーケティング戦略を立案できます。これらの知識を活用して、今後のマーケティング施策に役立ててください。
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